料亭という空間は・・・単なる食事の場ではありません。
四季折々の食材を活かした料理、心を尽くしたしつらい、趣ある器、そして伝統的な建築・・・それらすべてが、日本の美意識と文化を体現しています。こうした文化の集合体を次代へ継承していくことは、私の使命であると感じています。
近年・・・持続可能な社会の実現を目指すSDGs(持続可能な開発目標)が注目されています。
私たちの営みもまた、その理念と深くつながっています。たとえば、地元の旬の食材を使い、無駄を省き、自然の恵みに感謝する姿勢は、「つくる責任、つかう責任」(目標12)に通じます。また、日本文化を守り、伝えていくことは、「質の高い教育」(目標4)や「住み続けられるまちづくり」(目標11)にもつながる取り組みです。
伝統とは・・・過去を守るだけでなく、未来を育てるもの。
私は、料亭という文化の器を通じて持続可能な社会の一端を担い、日本人の心と美意識をこれからの時代へと丁寧に手渡していきたいと考えています。